生産者紹介
高木商店
茨城県神栖市波崎に本社を構える高木商店は、昭和初期に創業し、昭和32年に法人化された老舗の水産加工会社です。創業当時からさんま船の操業やみりん干しの加工など幅広い水産業に携わり、現在は冷凍部門と缶詰部門を二本柱として展開。地元銚子港や波崎港で水揚げされる新鮮な魚を自らの目利きで買付け、選別・凍結したうえで、自社工場で缶詰に加工しています。
昭和36年から続く缶詰製造では、年間約4,000万缶を生産し、素材の鮮度と旨みを活かした丁寧な製品づくりが特徴です。6代目の社長のもと、「やまめ」マークに込められた「高い理想を目指す」という理念を継承し、地元野菜との組み合わせや生詰へのこだわりなど、独自性ある自社ブランドも展開しています。高木商店は、確かな目と技術で、日々食卓に彩りを届けています。
弓削多醤油
弓削多(ゆげた)醤油は、大正12年に埼玉県坂戸市で創業した、伝統と革新が息づく老舗の醤油蔵です。初代・弓削多佐重が農業から転身し、入間の醤油蔵から設備と杜氏を迎えて始めた蔵づくりは、もともとの歴史も含めて200年以上に及びます。現在は4代目・洋一氏が、「安心して口にできる醤油であり、なおかつ旨いものでなければならない」という信念を胸に、伝統の製法を守り続けています。
原材料はすべて国産。丸大豆・小麦・天日塩を使い、木桶で1年かけて天然醸造。さらに加熱殺菌やろ過を行わず、酵母菌や乳酸菌が生きたままの“生醤油”も製造しています。有機醤油には、青森・白神山地近くの農場で育てた有機原料を使用。高麗郷丸大豆醤油には、蔵からほど近い鳩山町の契約農家による地元産大豆を使用するなど、地産地消の姿勢も貫かれています。地下から湧き出す清らかな伏流水も、醤油づくりを支える重要な資源です。
庄分酢
福岡県大川市の老舗酢蔵「庄分酢(しょうぶんず)」は、江戸時代初期・寛永元年(1624年)に創業し、三百年を超えて酢造りを続けてきました。十四代目・高橋一精氏が家伝の製法と哲学を継承し、一子相伝の秘伝をもとに、今もなお自然発酵と長期熟成による伝統的な酢造りを守り続けています。
代表商品である「有機純米酢」は、国産の有機米を使用し、麹と水のみで仕込まれるシンプルながらも奥深い味わいが特長。昔ながらの陶器の大甕で仕込み、蔵に棲みつく「蔵付き菌」と呼ばれる微生物の力を借りながら、ゆっくりと発酵・熟成させています。仕込みから仕上がりまで、職人が丁寧に「手入れ」を行い、時間と手間を惜しまず育て上げる酢は、まろやかな酸味と芳醇な香りを備えた逸品です。速醸酢にはない味の深みと、自然の力を活かした庄分酢の酢造り。その丁寧な姿勢が、三世紀以上にわたる信頼と品質を支えています。
まるや八丁味噌
まるや八丁味噌は、延元二年(1337年)創業の老舗味噌蔵。岡崎城から西へ八丁(約870m)、旧東海道沿いの八丁町で始まったその味噌造りは、江戸時代から変わらぬ製法を守り続けています。まるやの八丁味噌は、大豆・塩・水のみを原料に、米麹を使わず豆麹だけで仕込む「大玉大豆麹製法」。高さ2メートルの木桶に味噌を詰め、3トンの重石を石積み職人の手で円錐状に積み上げ、二夏二冬、自然の力でゆっくりと熟成させます。
この伝統製法により、濃厚なコクと深み、わずかな酸味や苦味を伴う複雑な味わいが生まれます。蔵に棲む酵母や乳酸菌が醸す風味も、八丁味噌ならではの魅力です。桶の使用年数は平均100年、まるやには200本近い木桶が現役で活躍しており、最古のものは1864年製。現代では希少となった桶職人の技とともに、八丁味噌の味と文化を世界20か国以上へ発信し続けています。
カクキュー八丁味噌
江戸初期創業のカクキューは、徳川家康の生誕地・岡崎で八丁味噌を造り続けてきた老舗味噌蔵です。厳選した大豆と塩のみを原料に、直径・高さともに約1.8mの大桶に仕込み、天然の川石を円錐状に積み上げる伝統の重石製法で「二夏二冬」以上じっくり熟成。地元・八丁町の風土を活かした天然醸造によって、独特の酸味と深いコクをもつ八丁味噌が生まれます。
宮内省御用達や南極観測隊の携行食にも選ばれるなど、その品質は国内外で高く評価されています。創業当時の味を求めて、在来種「矢作大豆」で仕込む限定味噌の製造にも挑戦。味噌づくり一筋、受け継がれる技と信念で、これからも日本の食文化を支えていきます。